３人もいりゃ、戦争にもなるさ。

１人ぼっちというのは、言ってみれば俺様全能の世界です。
２人っきりというのは、俺とおまえの切っても切れない世界／関係です。
さて。
そこに３人目が出てくると、話はややこしくなります。
そこでは「アイツは関係ないだろ」などという言葉が飛び交い、「俺様」が一瞬にして「関係ない奴」にされてしまう。だからいつだって３人目の存在は、私が必要とされない世界／状況を予感させるものなのです。

というわけで、
モンキー・チョップ・ブルックナーは「３人」を巡る物語です。
３人目がいる世界ではいつでも熾烈なポジション争いがあって、微妙な温度差をはらんだ複雑な距離感の中で、人々は駆け引きに心を奪われます。僕は俳優が丸裸にされて一番おもしろくなるのはそんな状況の中だと思いますし、また、僕自身そんな世界に住んでいると思うのです。

作・演出、主宰　広田淳一